ラテン語の語順について

ラテン語の語順は極めて自由だと言われます。
これはラテン語は語形変化が激しいため、文意が語順に依存しないからでしょう。

しかし、ラテン語にも下記のように一般的とされる語順は存在します。

主語―間接目的語―直接目的語―副詞―動詞

詳しく見ていくと、(1)主語とその修飾語、(2)間接目的語とその修飾語、(3)直接目的語とその修飾語、(4)副詞(句、節)、(5)動詞、の順となります。

例文を挙げると、「教師は少年に本を与える」という文は、

Magister puerō librum dat. となります。

magister, -trī, m. : 教師

puer, -erī, m. : 少年

liber, -brī, m. : 本

dō, dare : 与える

より修飾語を増やすと、「年老いた教師が、賢い少年に、しばしば良い本を与える」という文は、

Magister senex puerō sapientī librōs bonōs saepe dat. のようになります。

senex, senis : 老いた

sapiens, -entis : 賢い

bonus, -a, -um : 良い

saepe : しばしば、頻繁に

また、この語順は対格不定法の構文においても準用されることが多いように思われます。
この場合、不定法句の語順は対格主語―間接目的語―直接目的語―副詞―動詞(不定法)となります。
不定法の動詞が最後に来ることが多いということを頭に入れておくだけでも読解の助けになるでしょう。

例としては、「教師は少年に本を読むことを命じる」という文は

Magister puerum librum legere jubet. となります。

legō, -ere : 読む

jubeō, -ēre : 命じる

“puerum librum legere” の部分が不定法句で、直説法に書き直せば、

Puer librum legit. になります。

形容詞や属格の名詞などの修飾語は後置されることが多いようです。
ただし、大きさや数値を表す形容詞や、hic や ille などの指示形容詞、筆者の強調したい形容詞は被修飾語の前に置かれます。

ただし、これらの語順は韻律や強調などの目的で変わることが多いです。
特に文頭と文末の語が強調される傾向にあるようです。
あくまで構文解析のアタリをつけるときの目安として捉えてください。

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